癒しの楽器 パイプオルガンと政治
移動中の電車の中で少しずつ読み進めていた一冊をやっと読了。草野厚・著『癒しの楽器 パイプオルガンと政治』(文春新書)
大学教授、政治・メディア評論家として有名な方ですが(『山一證券破綻と危機管理』を書いた人だった)、パイプオルガンが好きで習っていたようです。
―多額の税金で買った楽器を独占する一部の演奏家。特定のメーカーと癒着する国立大学の教員。クラシック音楽の世界も政界と同じだ― (『文春新書1月の新刊』より引用※)
簡潔にまとめられた文章でありながら、多少内情を知っている人ならピンと来る。文春の編集者ってスゴイ。
まあ結局は東京芸大オルガン科や、個人的趣向(というよりくだらない見得)から設置に踏み切った自治体首長などをヤリ玉にあげているわけですが、パイプオルガンという楽器を公共財ととらえ、政治学的視点であらゆる方向から調査・考察している数少ない本として読み応えありました。
本書に対しては、それぞれの立場から賛否両論出てくることでしょう。ただ、パイプオルガンというのは一般の人ではなかなか触れることが出来ないということ、そして東京芸術劇場のように税金で作られた高価なオルガンが活用されていないというのは事実。私も含め、歯がゆい思いをしている人からの共感は得られる一冊です。
しかし、どこでも既得権益とか政治がらみの話はあるもので。音楽ホールなんて確かにハコモノ行政のひとつですしね。暗澹たる気持ちになってしまいます。
国内公共施設へのオルガンの設置についてはミューザ川崎のみが完全な一般競争入札だったそうです。お金のない川崎市で、音楽家の言い値で買うような随意契約なんてされたらたまったもんじゃないっすよ。ただでさえ赤字経営が目に見えてるのに。
せっかく作ったオルガンなのだから、演奏会やスクールなどでどんどん活用してもらいたい、というのが一オルガン愛好者の純粋な願いであります。
※ちなみに「1月の新刊」ですが初版は平成15年1月です。ゆえにミューザ川崎は、本書内では川崎市の新ホールといったような表現になってます。
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» 癒しの楽器 パイプオルガンと政治/草野厚 [へっぽこ演奏家「どみ」の楽屋]
東京芸術劇場大ホールの舞台後方には、2台で3タイプ(ルネサンス・バロック・モダン)の音を持つ回転式のパイプオルガンがある。 世界初というこの回転式、背中合わせになった2台のオルガンがコンピュータ制御によって忍者屋敷の回転扉のようにぐるりとまわるのだ。重さは約..... [続きを読む]
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コメント
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投稿: avril | 2005.01.14 23:41