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<鑑賞記>1/27日本の音楽展XXXⅢ

日本の音楽展は、指揮者熊谷弘の提唱により、1979年1月から毎年行われている演奏会。日本の作曲家による作品を日本の音楽家が演奏するというのが趣旨とのこと。今年で33回を迎えます。

日本の音楽展XXXⅢ
東京公演
第四夜 1月27日(木)18:30開演
全席自由3500円

佐藤敏直:ピアノ淡彩画帖 より  
ピアノ=畠山由衣

松村禎三:ギリシャによせる二つの子守歌/巡礼─ピアノのための─Ⅰ,Ⅱ 
ピアノ=林翔子

松岡美弥子:Rayon lumineux―for Marimba and Piano(初演) 
ピアノ=松岡美弥子 マリンバ=荻沼美帆

coba:水滴は啓示した クラリネットソロのために 
クラリネット=中里茎子

西村朗:三つの幻影 ピアノのための より 
ピアノ=小成亜紀子

金子健治:竹楽器のための"春雷"(初演)/バンブル・フィエスタ
竹鼓舌(竹笛=金子健治・松浦孝成・味澤明子 竹弦=畑内浩 竹琴=村田朋子 竹皷=小田もゆる 竹太鼓=山下由紀子 )

作曲者のひとりが友人のご親戚、ということでお誘いを受けたのですが、プログラム見ると興味深い構成だったので、いそいそと出掛けてきました。

時間の都合により、以下敬称略で、疑問点も調べぬまま第一印象をざざっと。毎度上から目線ですいませんが。

「ピアノ淡彩画帖」、開演時間に間に合わず、会場の外から聴いていたのですが、自由な展開の分だけ私には難解でした。小題はそれぞれ味わい深いのですが。松村禎三は歌劇「沈黙」の作曲者。「ギリシャによせる二つの子守歌」は一度じっくり聞いてみたかった曲。技術的にはさほど難度が高いものではない分だけ表現力で聞かせる曲なのでは。ピアニストは若くて華奢な女性。体脂肪ほとんどないんじゃないかぐらいの細身で、指先から背中にかけての筋肉が動いていることが一目でわかり、上半身はブレていないけれどしっかり全身で弾いている感じ。きれいな指使いで弾く人だなあという印象。音がかたい、というのも、また若さ、といったところでしょうか。

「Rayon lumineux-」、ふたりして衣装もかわいくて、若さあふれる曲&演奏。現代曲ながら不自然さや抵抗を感じさせず。子供でも踊り出したくなるような軽快感は、学校でのコンサートにも喜ばれそう。後半、3連符が混ぜられたところがレイヨン的?今回は初演ということだったのでギリギリな感じがしたけど、こなれていけばもっと楽しくなりそう。

個人的に楽しみにしていたのが「水滴は啓示した クラリネットソロのために」。作曲者は小林靖宏。アコーディオン奏者のcoba。クラリネットコンクール課題曲ですが、相当難しい曲なのでは。技術とか表現力を見るためのメロディがちりばめられてあるのだろうし。多分にガーシュインのラプソディ・イン・ブルーを意識したような印象。楽器問わずポルタメント奏法みたいに持続音を変化させるのが好きな人なのかしらと思ったり。そういえばエレクトーン曲集もご自身が監修したはずですが、アフタータッチ指示がかなり多かった。

「三つの幻影 ピアノのための」 、曲名だけは知っていましたが聴いたのは初めて。円熟という言葉がふさわしい演奏でした。そして「竹楽器のための"春雷"」、わかりやすく、とっつきやすかったのもありますが、楽しんで聴けました。「バンブル・フィエスタ」を聴くのはたぶん2度目。パルマやサパデアードといったフラメンコ的要素もちらりと入っていたのだけど、日本のアイデンティティってやはり農耕民族なのかしらとか、竹って東洋の象徴的な植物なのだなあと改めて思ったり。全体的に、マリンバや竹太鼓の人をはじめ、今回は美人パーカッショニストの活躍が際立ちました。

休憩時間にはロビーでのパフォーマンスがあり、常に音楽があふれている状態。こういうのは面白い。山口昭二の中也パフォーマンス…昭和のペーソス漂うギターつま弾き創作歌謡…。でも歌はうまいところがまた新鮮。

音楽ジャーナリスト小倉多美子による解説(寄稿?)。その世界では影響力があるのでしょうが、脚注が無駄に多い。ここでOECDの解説など必要あるのだろうか?そして、活躍したり話題となった演奏家を取り上げているのだが、該当段落で辻井伸行だけを「さん」づけする、というところにこの方の意志が表れているように思えた。

主催者も、これだけ継続して毎年定期的に開催するということは並大抵の努力ではないでしょう。来年以降も機会があれば足を運んでみたいものです。

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